株式会社エムズプロジェクト

デバイスライフサイクル管理(D-LCM)構築実績

IT運用 業務改善
クライアント:小売業(多店舗展開)
項目 詳細
クライアント 全国に多店舗展開する小売業
課題 デバイス管理体制の不備による業務非効率とコスト増加
ソリューション デバイスライフサイクル管理(D-LCM)の構築
規模 デバイス総数:750台(PC、タブレット、スマートフォンなど)
主要成果 問い合わせ対応工数50%削減、監査対応工数60%削減、キッティング業務の完全外注化

課題(Before)

全国に多店舗展開する小売業において、急速な事業拡大に伴い社内デバイスの管理体制が追いつかない状況が発生していました。具体的には以下のような課題を抱えていました。

主な課題

  • 問い合わせ対応の非効率性: デバイスのトラブル対応窓口が不明確で、各部門が個別に対応
  • 専門人材の業務配分の偏り: IT専門人材が日常的なキッティング作業などに時間を取られ、優先度の高い戦略的業務に着手できない状況
  • 非効率なデバイス調達: 計画性のない場当たり的な調達による余剰在庫やコスト増加
  • デバイス管理の不透明性: デバイスの棚卸が適切に行われておらず、保有資産の所在が不明確(倉庫から未管理のPCが発見されるなどの事態が発生)

導入規模・対象

デバイス種別 台数 管理方法
PC 400台 レンタル
タブレット 120台 レンタル
スマートフォン 200台 レンタル
棚卸用Android端末 30台 購入
合計 750台 -

月間問い合わせ件数:30~70件(システムの新規投入や入れ換え時は増加)

実施内容

1. 社内ヘルプデスク機能の構築

  • 問い合わせ窓口の一本化(メール/チャット/電話)
  • インシデント管理台帳の整備
  • FAQ作成とナレッジベースの構築
  • リモートサポート体制の確立

2. IT資産管理基盤の整備

  • デバイス管理データベースの構築
  • ソフトウェアライセンス・サブスクリプションの管理体制構築
  • ユーザーアカウント管理の整備
  • 資産管理ルールの策定と文書化

3. デバイス調達・運用の最適化

  • 全社的なデバイス標準化(機種・スペック)
  • デバイスのレンタル化による柔軟な調達(棚卸用端末を除く)
  • キッティング業務の外注化
  • 予備機の適正配置

4. デバイス配布・回収プロセスの確立

  • 部門別デバイス管理責任者の設置
  • 配布・回収ワークフローの標準化
  • デバイス利用ルールの策定
  • セキュリティポリシーの運用強化

Point:D-LCMサイクルの確立

当社の支援により、以下の4段階からなるD-LCMサイクルを確立しました:

計画フェーズ

  • 人員計画、設備・投資計画の策定
  • デバイス更新計画の立案(PC:5年、モバイル機器:3年サイクル)
  • 予算策定と承認プロセスの確立

調達・導入フェーズ

  • 標準仕様に基づく一括調達
  • 外部委託によるキッティング(初期設定)
  • 利用者への引き渡しと初期トレーニング
D-LCMサイクルの概念図
図:D-LCMサイクルの4つのフェーズ

運用フェーズ

  • ヘルプデスクによるインシデント管理
  • デバイス・ライセンス・サブスク契約の台帳運用
  • 修理・代替機対応の実施

廃棄フェーズ

  • 計画的なデバイス更新
  • 旧端末のデータ消去と証明書保管
  • 環境に配慮した処分

導入効果

1. 業務効率の向上

50% 問い合わせ対応工数 現場での対応工数削減
65% 管理業務効率化 管理部門内での対応時間減少
95% キッティング外注化 社内での対応工数ゼロ化

2. 人材活用の最適化

  • IT部門の人材が戦略的業務に集中できる環境の実現
  • 現場スタッフのデバイストラブル解決時間の短縮

3. コスト最適化

  • レンタル化による初期投資の分散と廃棄コストの削減
  • 標準化によるサポートコストの低減
  • 計画的な調達による適正在庫の維持

4. ガバナンス強化

  • IT資産の可視化による予算判断の迅速化
  • セキュリティインシデントリスクの低減
  • コンプライアンス対応の効率化

同様の課題でお悩みですか?

デバイス管理やIT資産管理でお困りの方は、ぜひご相談ください。
貴社の状況に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。

お問い合わせはこちら